B’zの新しい色が提示された作品
個人的な話になるが、B’zは学生時代に呆れるほど聴いていた。アルバムも殆ど持っていたと思う。そんなこともあり、今になって彼らの過去作を聴くということは、学生時代に帰ることとほぼ同義となっている。特に本作『SURVIVE』はよく聴いていたので、今聴くと懐かしくてたまらなくなる。
特に好きな曲は#11「Shower」で、”海沿いの球場見下ろせば”で始まる歌詞と、それに連動したような優しい音色が、狂おしいほど青春時代を感じさせる。以前なら、#4「Liar!Liar!」、#6「Fireball」といったハードロック調のシングル曲を好んでいたが(もちろん今でも大好きだが)、時が経ったことで心に響きやすい曲も代わったようだ。
さて、客観的に本作を評価すると、ハードロック調の力強い楽曲がシングルとして発表されたことから、彼らが次のステップへ向かおうとしていることが感じ取れる作品だと思う。大ヒットした前作『LOOSE』辺りまでは、ブラスサウンドやブルースやガレージの雰囲気が強かったが、本作からはバンドサウンドにエッジが効き、ポップスよりもロックに比重が傾いたような気がする。#1「DEEP KISS」のハードなサウンド、誰も真似できないようなハイトーンで歌うヴォーカルを聴けばそれを何となく感じることが出来ると思う。前述の#4や#6のシングル曲は言うまでもない。
ハードなサウンドが際立つ作品なのでどうしても最初はそのインパクトに引きづられるが、全体を通してバランスが取れた楽曲構成になっていて、とてもメリハリのついた作品だと言えるだろう。前作までの渋さを持った#3「Survive」、#8「泣いて泣いて泣き止んだら」。キラキラしたバラード#5「ハピネス」、#11「Shower」。ポップな「だったらあげちゃえよ」。最後にはそのすべてを詰め込んだような大ヒット曲#12「Calling」が待ち構えるという布陣である。何度も本作を味わっていると、バラードなどのそれぞれの楽曲の存在感の強さに気づき、ハードなアルバムという印象は薄くなっていくと思われる。#5「ハピネス」は幸福感で涙が出てきそうで、この曲も好きだなぁ。
B’zが凄いのは、2016年の現在も尚、衰えることなく作品をリリースし続け、ライブもこなしていること。学生時代の当時とは違い、様々な音楽を聞くようになり、彼らの作品を毎回チェックすることはなくなってしまったが、ニュースはいつも目にしていたのでその度に驚かされている。ああ、昔はファンクラブ入ってたなぁ…。今回を機に彼らの”追っかけ”を再開しようかな。
トラックリスト
- Deep Kiss
- スイマーよ!!
- Survive
- Liar!Liar!
- ハピネス
- FIREBALL
- Do Me
- 泣いて泣いて泣き止んだら
- CAT
- だったらあげちゃえよ
- Shower
- Calling
コメント