ニューヨークを拠点として活動していたドリームポップ・シューゲイザーバンド、サウンドプールによる3枚目の作品。
2005年に結成されたバンドは、本作リリース後に活動休止となってしまったため事実上のラストアルバムとなっているが、クラブミュージックとシューゲイザーの融合を測った本作は当時話題となった。
90’s初頭のシーンを再解釈
クラブミュージック、シューゲイザーというと、90年代初頭のアシッドハウス、マッドチェスター、シューゲイザーといったシーンが真っ先に思い浮かぶが、それらとは全く違う、2010年当時の新しい解釈で生まれた名作と言って良い。
リズムトラックはほぼ打ち込みのようで、そのダンサブルなリズムをバックに、空間を埋め尽くすようなギターの轟音と甲高いノイズ、はたまたピコピコフワフワシンセの音も交わり、新世代だからこそ出来た最先端のシューゲイザーサウンドを展開している。
女性シンガーによるヴォーカルも印象的で、質量のあるサウンドの中で無表情で歌う様が想像できるほどの冷めた歌声は、サイケな空間をより際立たせる。
リードトラック#1「Mirrors In Your Eyes」に上記の特徴が抑えられており、口ずさみたくなる楽曲センスも相まって非常に魅力的な一曲。
個人的にハマったのは#4「Makes No Sense」で、ギターのレイヤーが増えて、音の厚みが増していく展開は、一発で虜になった。
シューゲイザーによるシーンの活性化を実感させた作品
数多のシューゲイザーバンドが登場する中、サイケ、シューゲイザーのツボをこれまで抑えて新境地を開拓した本作はとても魅力的。
この様なシューゲイザーのエッセンスを取り入れたバンドによって、2000年代にシーンがどんどん活性化したことは記憶に新しい。サウンドプールは活動休止してしまっているが、シューゲイザーの進化はこれからも続いていきそうだ。
トラックリスト
- Mirrors in Your Eyes
- But It’s So
- Kite of Love
- Makes No Sense
- Sparkle In the Dark
- I’m So Tired
- That Sunny Day
- Shelter
- Listen
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