リンプの傑作にして、ラップメタルの頂点に君臨するアルバム
汚らしい隠語満載、そしてとても長いタイトルがもうインパクト抜群。大ヒットの前作からの勢いをそのままにリリースとなった約一年ぶりのオリジナルアルバム。
本作は、M:I-2のテーマソングともなった#10「Take a Look Around」を始め、ドラマティックな楽曲が増えた印象。勢い、話題性、完成度の高さなどが相まって、前作以上の売上を記録。バンドの絶頂期を象徴する作品である。個人的にもリンプの代表作として推したいのはコレである。
前作は脳天気なイメージを持たせる作品だったのに対し、本作ではメロディアスなパートが積極的に組み込まれたことで、シリアスな雰囲気がとても強くなっている。そんな静かなメロディパートから、彼らお得意の極悪ギターリフへと変貌してく展開がまた強烈。
静と動の対比を前作以上に感じさせ、それが音に別の意味での重たさを加え、また爆発力をより研ぎ澄まされたものにしている。これらの点から、なかなか完成度が高く、器用に作られた作品だという風に感じた。
#2「Hot Dog」~#4「Full Nelson」までは、前作の雰囲気を踏襲しつつ、前作以上に重たいサウンドで攻め立てる。前作が気に入っていた方にとっては、この三曲は特に気に入ることだろう。
ただ本作の魅力は#5「My Way」から始まるといっても過言ではない。霧が立ち込めるような静けさをもったオープニングが新鮮なこの曲は、このアルバムのシリアスサイドを特に強調している。
他にも#7「Livin’ It Up」、#10「Take a Look Around」、#11「I’ll Be OK」、#12「Boiler」などは特にドラマティックで、美しささえ感じてしまった。
個人的に#7「Livin’ It Up」がこのバンドで一番好きな楽曲。Aメロの美しさもさることながら、一つの曲の中で様々なリフが飛び出し、飽きずに何回も聴きたくなる。聞き所満載の名曲。
メロディアスさばかり強調して書いたが、音の重量感も本作のほうがあると思う。本作は、色んな意味で軽かった前作と比べると、明らかな進化を感じさせた。
フレッドのラップは当然好き嫌いが別れるところだと思うが、やはり彼らの魅力は、太いギターリフによる暴力的なサウンド。それを十二分に活かし、新たな音楽性を見出した彼らの代表作。ラップメタルの頂点にして完成形と言える作品である。
トラックリスト
- Intro
- Hot Dog
- My Generation
- Full Nelson
- My Way
- Rollin’ (Air Raid Vehicle)
- Livin’ It Up
- The One
- Getcha Groove On
- Take a Look Around
- I’ll Be OK
- Boiler
- Hold On
- Rollin’ (Urban Assault Vehicle)
- Outro
※赤マーカーはおすすめ曲
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