「These Hopeful Machines」(2010) / BT

レビュー

キャッチーで聴きやすい、BTの傑作の一つ

ブライアン・トランソー、通称BTによる6枚目の作品。

彼の作品はトランス・ミュージックが軸にあると思っているが、それを歌モノに消化させたり、プログレッシブで壮大な曲展開を見せたり、変化自在に音を操るアーティスト。だけど一貫しているのは、音の海に浸かるような心地よさを味あわせてくれる点。クラブ・トランス系のアーティストであるが、家でヘッドホンをつけてじっくり楽しみたい音楽である。

本作は今までになくゲストが多いのが特徴で、歌モノでキャッチーな楽曲を揃えているのが特徴的。それに加えて、いつも通りの8~10分に及ぶ楽曲が一曲一曲丁寧に進行していく。ロック調の芯の太いサウンドがかっこよく、また優しいヴォーカルとのコントラストによりクールさが半端ではない。

壮大で長尺だけどキャッチーで聞きやすい、なおかつトランス系のかっこよさと繊細な音使い。ここに来てセンスの良さが爆発しており、本作をBTの最高傑作に上げる人が多いのも頷ける内容である。なお、2010年グラミー賞のベスト エレクトロニック/ダンス アルバム部門に、本作はノミネートされており、評価の高さが伺える。

Chicaneが好きな方は間違いなく好きになれる音楽だと思う。…というより、音楽ファン全てに受け入れられるほどの力量を感じさせる作品。涼しくて優しいトランス・ミュージック、是非とも一度は味わってみていただきたい。

トラックリスト

  1. Suddenly
  2. The Emergency
  3. Every Other Way
  4. The Light in Things
  5. The Rose of Jericho
  6. Forget Me
  1. A Million Stars
  2. Love Can Kill You
  3. Always
  4. Le Nocturne de Lumière
  5. The Unbreakable
  6. The Ghost in You

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