「Baby’s Angry」(1992) / Revolver

レビュー

センスの良さを見せつけた、シューゲイザーブームの一翼

90年代初頭のシューゲイザームーブメントの一角を担った、Revolverによる1stアルバム。ただし本作は、3枚の初期シングルをまとめた編集盤といった内容である。3ピースの彼らが鳴らすサウンドは、ギターサウンドの厚みと疾走感、力の抜いたヴォーカルと柔らかいメロディーが溶け合い、シューゲイザーを体現していた。

Revolverは曲の構成が比較的はっきりとしているバンドで、メロディアスなパートと轟音パートが波のように行ったり来たりするサウンドで魅了した。アメリカのグランジ寄りの疾走感と荒さを含んだその演奏は、美しさとかっこよさを兼ね揃えていて、非常にセンスの良いバンドだったように思う。そのため未だにシューゲイザーファンからの支持が根強いバンドでもある。

その中でも特に存在感を放っているのが、1#「Venice」。彼らの代表曲でもあるこの曲は、疾走感と重量感のあるリフが心地よい名曲である。

彼らは、本作と次作『Cald Water Flat』の2作を残し、シューゲイザー衰退とともに姿を消してしまった。シューゲイザー再評価の現在も活動の一報はなく、過去の作品も入手困難になっている。そんなこともあり、神格化されつつあるバンドの一つであると言える。

ローファイ気味の厚みのあるギターと、優しいメロディとのコントラストが心地よく、シューゲイザーファンであれば絶対に好きになるバンドであると思う。

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