Curveの2ndアルバム。シューゲイザー的な側面を見せたデビュー作で時代の流れに乗り、たちまち支持を得た。
しかし本作では刺々しいサウンド表現が目立つようになり、以降の機械化された作品へ向かう過程…、ともとれる変化をしている。
ノイズのインパクトが増強、より攻撃的に進化
柔らかく波打つ轟音ギターが印象的だった前作と比べると、攻撃的な轟音ノイズが目立つ。それは恍惚を生み出すノイズとは明らかに違う、まるで相手を切りつけるような轟音。
とは言うものの実際のところ、何も考えずに聴くと前作とはあまり変わっていない。轟音ギターノイズのインパクトは相変わらずだし、トニ嬢の囁くような歌声も前作同様に美しく、カッコいい。
しかし本作は何よりも、地面の下で蠢くような怪しい雰囲気がとても印象に残っている。路地裏で寂しげに響くようなサウンドが辺りを闇で覆い、ギターのノイズが低空をゆらゆらと漂う。やがてノイズは徐々に分厚さを増していき、その音のパワーにリスナーは圧倒されていく、といった具合である。
こういう風に考えると、本作は前作に比べ、サウンドにに起伏の激しさを感じる。そのことがギターノイズの刺々しさをより倍増させているのかもしれない。
重低音の利いたビートは心臓を打つように力強く、他のサウンドと合わせるとまるで冷徹な表情で殴られているような感覚に陥る。
それは冒頭の#1「Missing Link」をはじめ、ボーナストラックの#11「On the Wheel」などアルバムのさまざま箇所にて散見される。これが後のカーブのサウンドを象る部分となっていくのである。
他にも、官能的な雰囲気が際立つ#10「Cuckoo」のような曲も、バンドの特色が表すものとして忘れてはならない。
トラックリスト
- Missing Link
- Crystal
- Men Are from Mars, Women Are from Venus
- All of One
- Unreadable Communication
- Turkey Crossing
- Superblaster
- Left of Mother
- Sweetest Pie
- Cuckoo
- On the Wheel *
- Missing Link (Screaming Bird Mix) *
※赤マーカは、おすすめ曲
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