「The 7th Blues」(1994) / B’z

レビュー

大ボリュームで繰り広げる、古き良きハードロック

B’zの7枚目のアルバム。彼ら初の2枚組オリジナルアルバムだが、シングルは①と⑧のたった二曲。しかも⑧はスロウテンポのアコースティックナンバーに変貌し、アルバムの雰囲気を良く作り出しており、シングルでのダンサブルな面影は完全に無くなっている。なのでシングルは①のみ、とも言える。

ジャケットやタイトルからも滲み出ているように、古き良きハードロックやブルーズを根底に置いた、渋いサウンドの楽曲が並ぶ。しかし、いくら彼らが玄人好みな音選びをしても、相変わらずポップセンスは抜群なわけなのである。前作から頭角を現してきた図太いハードロックをはじめ、ジャジーな店で流れてきそうな楽曲や遊び心満載なモノなど、二枚に亘って幅広い音楽性を発揮している。おそらくB’zの作品で一番バラエティに富んだ作品だと思われる。メンバー曰く、思いつくままに作った曲をどんどんレコーディングしていった結果だとか。ここで鳴らされているサウンドが二人のルーツを強く感じさせるのは、そういった手法が影響しているからだろうか。

2枚組で大量の楽曲が並ぶ中、似通った曲も無く、聴くごとに深みが増すばかり。多くの名曲が生まれたこの作品は、B’zの傑作として選出されることも多い。当時は全盛期ということもあってか、2枚組オリジナルアルバムのセールス記録を塗り替える偉業も達成(現在も日本で歴代一位)。それにしても、悪ノリしたような②がこのアルバムの中で一番好きな曲になるとは思わなかった…。この時期の彼らはいろんな意味で抜け目ない。

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