妖艶かつ威圧感のあるサウンドで攻めるシューゲイザー
Curveの1stアルバム。おそらく、彼らの作品でもっともシューゲイズしているのでは、思わせる作品。これ以降のアルバムはメタル要素が増していくので、シューゲイザーとしてのCurveを知りたい場合はこのアルバムから入ると良いのでは。ダンスビートとメタリックな轟音のインパクトが強いが、その後に聴こえてくるトニの囁くようなヴォーカルも強い存在感を放っている。低音でまったりと聴かせたりして、まるで呪文を唱えている魔女のような風格を放っている。
確かに甘いヴォーカルや洪水の如きサウンドなど、シューゲイザーの片鱗は十分見えているが、聴いた後に「破壊」という言葉が頭に出てくるのが不思議である。他のバンドの轟音とはまた違く、音の洪水でリスナーを力で押し流そうとしているかのようである。この後彼らがインダストリアルに移行するのも十分納得できる。そういうことを踏まえると、Curveは他のシューゲイザーバンドとは全く違うテーマを追求していたということなのだろうか。
どの楽曲も似たサウンドで押してくるなー、と最初は感じたが、サウンドがしつこく感じず癖になるので聴く毎にはまっていける。②は、ほぼ同じフレーズを繰り返しているだけにもかかわらず、個人的にとてもはまった曲。
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