「Raise」(1991) / Swervedriver

レビュー

Swervedriverの1stアルバム。クリエイション・レコーズのアラン・マッギーライドや見出され、同レーベルと契約。その後、彼らはライドの後に続けとばかりに登場し、待望のデビューアルバムであるこの作品をリリースしたのである。そして現在では彼らの代表作となっている本作。

グランジにも通ずる、泥臭いシューゲイザー

爆音ギターに力強いドラム、心臓に突き刺さりそうなベース音など、サウンドの迫力は申し分なし。ただ、彼らがシューゲイザーと呼ばれることには個人的にちょっと違和感を感じてしまう。

とはいうものの、近年のシューゲイザー再評価の影響で同ジャンルを語る上で欠かせない重要作となっており、もはや名盤と位置づけてもよさそうな作品である。他のバンドと一線を画してはいるものの、ノイズギターによる轟音や、バックのサウンドに埋もれてしまいそうな冷めたヴォーカル等々、シューゲイザーたらしめる部分が多いのは確か。

メンバーがジザメリを好きだということもあり、刺々しさも強く感じられる。その代わり、甘い雰囲気は他のバンドに比べ非常に少なく、むしろダイナソー.Jrのように荒野を疾走していく男気溢れるサウンドが印象的である。

#1「Sci-Flyer」#2「Pile-Up」はイントロからアクセル全開の爆音がカッコよすぎるし、代表曲#3「Son of Mustang Ford」#5「Rave Down」でも突進する彼らの勢いにはただただ圧倒される。

勢いだけで突っ走るだけにとどまらず、スケールの大きさや奥深さを憶えてしまう音の使い方と曲の展開は、当時のイギリスの音楽シーンを表しているような気もする。

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