「Rage Against the Machine」(1992) / Rage Against the Machine

レビュー

政治、社会的なメッセージをラップとメタルサウンドのミクスチャーで表現するレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンによるデビュー・アルバム。ジャケットはベトナムの僧侶が焼身自殺している写真で、ここからも彼らの過激なメッセージ性が伺える。

それが故に9.11発生後は、ジョン・レノンのイマジンなどとともに、レイジの全楽曲がラジオやテレビで放送自粛となった時期があった。

激しい怒りがぶちまけられた作品

ラップで政治的なメッセージを歌い、ときに叫ぶ激情型のザック・デ・ラ・ロッチャのヴォーカルは、メッセージを訴えかけるには十分すぎる説得力をもつ。そしてスイッチ奏法、スクラッチ奏法などの独自のギターテクニックを披露するトム・モレロのギターも特徴的。それらの音とぶつかり合うベースとドラムの太いサウンドも手伝い、どの楽曲からも激しい怒りがぶちまけられた作品となっている。

私とレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとの出会いは、#6「Know Your Enemy」のライブ映像だった。それはもう衝撃的で、トム・モレロによる独特な奏法などに惹きつけられながら、怒りをぶつけるような演奏、リフに圧倒された。

オルナティブロックとしてのRATM

同時期の音楽シーンの話をすれば、シアトルからでオルタナティブの波が押しよせ、各アーティストが個性を表現し始めた時期である。

その中から生まれたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはラップメタル、オルタナメタルとして括られ、のちのコーンリンプ・ビズキットなどに影響を与えたと思われるサウンドを鳴らしている。

ただリンプ・ビズキットらはエンタメ性が強いのに対して(というかそれが普通なのだが)、レイジはあくまで裕福層や権力者によって作られた世界(国?)と戦う手段として音楽を武器にしていた印象が強い。

後に2枚のアルバムをリリースするが、トム・モレロの技巧的なギターや、怒りの沸点が最も高いのは本作なので、彼らの本質に触れたい場合はまず本作を手に取ってみてほしい。

トラックリスト

  1. Bombtrack
  2. Killing in the Name
  3. Take the Power Back
  4. Settle for Nothing
  5. Bullet in the Head
  1. Know Your Enemy
  2. Wake Up
  3. Fistful of Steel
  4. Township Rebellion
  5. Freedom

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