ストーンズ史始まりの兆し
偉大なるブリティッシュロックバンド、ローリング・ストーンズの初期にあたる作品。まず、彼らの初期作品に関しては、色々ややこしいところがある。例えば本作は、英国では3枚目でありながら米国では4枚目であるとか、ジャケットも違えば収録内容も違うなどである。ちなみに今回紹介するのは、ヒット曲#3「The Last Time」#7「(I Can’t Get No) Satisfaction」が収録されている米国盤。
彼らの初期の作品といえば、R&Bのカバーが大半だったが、本作ではオリジナル曲の存在感が際立つようになった。それを象徴するのは、言うまでもなく上記の2曲である。これが契機となったのか、次作『Aftermath』からはオリジナル曲のみの構成となり、一気に飛躍していく真のストーンズ史が始まるのである。以降の作品と比べると粗い作りなのは否めないが、彼らの出世への足がかりになった曲と言っても過言ではない名曲#7「(I Can’t Get No) Satisfaction」が収録されているので、是非ともチェックしておきたい。
R&Bやフォークから影響を受けたモノクロ感たっぷりのサウンドは、60年代ロックの代名詞だが、本作は正にその雰囲気を味わうにはもってこいである。優等生のビートルズとは反対のやさぐれた不良っぽい雰囲気もこの頃から出ていたようだ。#1「Mercy, Mercy」、#2「Hitch Hike」は個人的に癖になり、跳ねるようなリズムにブルースハープの音が心地よい#9「The Under Assistant West Coast Promotion Man」も良い。
個人的に初めてストーンズを聴いたのはこの作品で、未だになぜこの作品から手つけたの自分でもわからない(笑)。しかし冒頭の3曲、特に#3「The Last Time」にはどっぷりハマってしまい、前知識なくても楽しめた。ローリング・ストーンズという大物バンドが飛躍する前段階の作品に於いて、聴きやすい部類に入るのではないかと思う。彼らのどの作品から手を付けていいかわからない方は、米国盤の本作はオススメできる。
トラックリスト
- Mercy, Mercy
- Hitch Hike
- The Last Time
- That’s How Strong My Love Is
- Good Times
- I’m All Right
- (I Can’t Get No) Satisfaction
- Cry To Me
- The Under Assistant West Coast Promotion Man
- Play With Fire
- The Spider And The Fly
- One More Try
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