「Master of Puppets」(1986) / Metallica

レビュー

スケールの大きさ、スピード、革新性、すべてが詰まった初期の名作

Metallicaによる三枚目のアルバム。またの名は「メタルマスター」。バンドのみならずHM/HRにおいて傑作と称されるメタリカの代表作。楽曲はわずかに8曲だが、それぞれが圧倒的なスケールのサウンドを聴かせているため、曲数が少ないことを全く感じさせない。

個人的にはじめて聴いた作品が『Metallica』だったためか、超速で突っ走る楽曲群には驚かされるばかりだった。そればかりでなく、長い曲のなかで繰り広げられるメタリカ節ともいえるダイナミックな展開も魅力で、力強く美しい。まずアコースティックなオープニングからのドラマチックな移り変わりを見せる①にいきなり虚をつかれた。この展開は何回聴いても鳥肌が立つし、その後の内容も完璧。HM/HRの名曲と言われていることに激しく納得した一曲。これに加え、「マスター!」の掛け声と中盤の転調が印象的な②も素晴らしい。他のどの楽曲も、針の入る隙間も与えない内容に感嘆した。特に好きなのは、まさしくスラッシュメタルと言えるザクザクの高速ギターリフを味わえる⑤⑥⑧など。

当時はとても衝撃的な作品だったようだが、現在の音楽シーンでは彼らの影響下にあるバンドが数多く活躍しているためか、今となっては癖のない正統派のHM/HRという印象が強い。なのでメタルを聞いたことのない人には先ず聴いてもらいたい作品。尚、本作を最後にベーシストであるクリフ・バートンが亡くなってしまったそうで、それが以降の彼らの変化していくサウンド影響していったのだろうか?

  1. Battery
  2. Master of Puppets
  3. The Thing That Should Not Be
  4. Welcome Home (Sanitarium)
  1. Disposable Heroes
  2. Leper Messiah
  3. Orion
  4. Damage, Inc.

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