「リニア」(2007) / ストレイテナー

レビュー

国内のオルタナティブロックバンド、ストレイテナーによる5thアルバム。

彼等の知名度上昇のきっかけとなった#2「TRAIN」#3「SIX DAY WONDER」を収録した話題作となった本作。

新たな境地を開拓

この作品を彼らは「今までとは違う作品」と語っていたという通り、打ち込みやシンセによる、彼らにとっては斬新なサウンドが顔を出している作品。

そのため、サウンドのアプローチの幅が広くなったことを感じさせる。明らかに前に出てきているベースや力強いドラムなど、3ピースらしからぬ重奏なサウンドも相変わらず素晴らしい。

シンプルなアコギのイントロと打ち込みの音が印象的な#1「CLARITY」は彼らにとってかなり異色なナンバー。止まっていた電車が走り出し加速していく様を思い起こさせる、大人しくも力強い曲である。

続けてヒット曲#2「TRAIN」を聴けば一気に速度を増して疾走するかのようである。ピアノの旋律と和やかな雰囲気が印象的な#3「SIX DAY WONDER」はどこをとっても素晴らしい。

シングル#6「BERSERKER TUNE」は、この作品からするとまさに脱線したように垢抜けた楽曲で、「TITLE」のときの名曲「Killer Tune」を思い起こさせる攻撃的なナンバー。

演奏が素晴らしいのはよく分かるが、楽曲にはひねりのあるものも多く、一聴で曲の流れを理解するのは難しい。彼らには万人受けと言ってはあれだが、分かりやすくて暖かみのある楽曲を作ってもらいたい。

あと、前半の出来が良いので後半はちょっと味気なく感じてしまったのが残念。しかし、ストレイテナーがこの変化を経て、今後どの様に進化をしていくのかが楽しみとなった一枚である。

トラックリスト

  1. CLARITY
  2. TRAIN
  3. SIX DAY WONDER
  4. BIRTHDAY
  5. GHOST OF CHRISTMAS PAST
  1. BERSERKER TUNE
  2. REST
  3. LIVES
  4. AFTER THE CALM
  5. MARCH

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