2.Ricochet
3.Evidence
4.The Gentle Art Of Making Enemies
5.Star A.D.
6.Cuckoo For Caca
7.Caralho Voador
9.Digging The Grave
10.Take This Bottle
11.King For A Day
12.What A Day
13.The Last To Know
14.Just A Man
より節操が無くなった、ジャンル分け不可な作品
FNMの5thアルバム。前作によって高い評価を受け、バンドの地位を確固なものにした彼らだが、93年にギタリストのジム・マーティンが脱退してしまう。その代わりに加入したのが、マイク・パットンの別バンドでもあり、FNM以上に奇天烈なバンド、ミスターバングルのギタリスト。彼の加入が影響したのか、猛進するヘヴィな楽曲と、穏やかな曲の対比が強くなり、振り幅の大きさを特に感じた作品。それを意識させるのが、なんといっても②から③の流れなのだが、これはFNM史上最も印象的且つ素晴らしい展開だと思っている。ヘヴィロックで縦ノリをかました後、本格的なジャズを披露するバンドはそうそういないだろう。
やはり楽曲のバラエティ性が富むと、マイク・パットンのヴォーカルもそれに比例するように、より変化自在になっていくようだ。⑥は白目で歌ってる顔が想像出来るほどの超絶な絶叫を堪能できる他、一方ではジャジーな楽曲(③⑦)を味のある深い声で丁寧に歌い上げる。・・・等々、惜しげもなく披露される彼の多彩なヴォーカルセンスに度肝を抜かれてしまう。音や曲のアレンジに関しても、曲内での極端な転調はもはや当たり前。曲間の流れを無視したような我の強い個々の楽曲は、彼らのサウンドイメージを大げさなくらいに体現している。このミクスチャー具合は、ある意味では最もFNMらしいサウンドなのかもしれない。
前作に比べると緊張感は薄れ、むしろ楽曲の勢いや音を楽しむような空気が感じられる。そこもFNMらしい(?)。そのため前作とは印象は異なるものの、今作も間違いなく名作。とりあえず、親しみやすい②③の名曲群を聴いてほしい。
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