ポップとダークネスが合わさりつつも、非常にシンプルな作品
Pierrotのメジャー4thアルバム。1stから前作までコンセプトを元にアルバムを制作してきたが、今回はアルバムをイメージする明確なコンセプトは無い。相変わらず歌詞は過激でサウンドは刺激的だが、全体に渡ってポップな楽曲で構成されたアルバムのため、とても聴きやすい。もっと言えばとてもシンプルで、全体を通してパンク調の走っているの雰囲気が出ていることも馴染み易さの一因となっているのだろう。
アルバム通して終始攻撃的なサウンドで攻め続けるので彼らの表面的なカッコよさを味わうにはもってこいの作品と言える。もちろん彼らのことだから、歌詞やサウンドに隠されたテーマを埋め込んでいるとは思うが・・・。冒頭の二曲から今までにないほどのポップな楽曲で始まるが、#3「DAYBREAK」や#5「ネオグロテスク」辺りから暴力的なサウンドでたちまち独特のダークな世界に引き込まれる。
今まで以上に疾走し迫力を増しているバンドサウンドからは、皮膚を切りつけられるような刺々しい雰囲気を感じ取れるが、それはまるで前作のバイオレンスな部分のみを引き継いでいるかのようで、バンドの勢いを止めまいというメンバーの意思が伝わってくるかのようだった。一方前作のCOCOONに続く名曲#8「HILL -幻覚の雪-」も登場し、こちらは美しい音色と世界を作り上げている。
上記だけでは単調で面白みのないアルバムをイメージしてしまうかもしれないが、電脳世界を表現する電子音や幻想的な#8「HILL -幻覚の雪-」を筆頭に、音の使い方のセンスが個人的にはツボだったため、お気に入りの一枚。
もちろん、単調さを理由にすぐに飽られそうという想像もできるが・・・。それでも良く言えばシンプルかつエネルギッシュなので、Pierrotを初めて聴くという方にお勧めしたい。それにしてもジャケットがカッコいい。
トラックリスト
- a pill
- PSYCHEDELIC LOVER
- DAYBREAK
- Upper flower
- ネオグロテスク
- 革命の黒い翼
- ACID RAIN
- HILL -幻覚の雪-
- GOD BLESS ×me××××
- MORNING JUNKEY
- 薔薇色の世界
- ANSWER
※赤マーカは、おすすめ曲
コメント