「Some Friendly」(1990) / The Charlatans

レビュー

The Charlatansの1stアルバム。だるそうに歌うヴォーカルと暖かいオルガンの音色が印象的な、マッドチェスターを象徴する一枚。しかしサウンドはまさにストーンローゼズそのもので、名曲③を聴けばそれが一目瞭然。出遅れた形でシーンに登場した彼らは、メディアからも亜流扱いを受けてしまうが、余りあるセンスがそれを許さなかった。

リズミカルな曲調を形成するドラムとベースは言うに及ばず、イアン・ブラウンと声も出で立ちもそっくりなヴォーカルや、ワウペダルを駆使したギターサウンド…。比較しすぎもいけないとは思うが、良くも悪くもどれもがマッドチェスター(ストーンローゼズ)の象徴となるサウンド満載である。

そのなかでも特に個性的な存在感を示しているのは、軸となるメロディを奏でるオルガン。同じくサウンドの中核を担うギターとの存在感がほぼ同一で、その掛け合いのようなやり取りが古臭くもあり心地よくもある。

全体的に鬱々とした気だるいオーラが漂っているようだが、グルーヴ感のあるリズム隊に無理やり身体を揺らされてしまう自分の妙なテンションは、毎度ながら癖になる。

ギターサウンドが控え目なのには好き嫌いがでそうだが、以降の彼らの作品でここまでオルガンが主張をしている作品は少ないので今思えば貴重であり、時代を考えても記念碑(?)的な作品であると言える。

因みに、シャーラタンズと言えばこの作品を挙げる方が多いが、バンドの進化が手に取るようにわかる以降の作品も是非チェックしてもらいたい。

トラックリスト

  1. You’re Not Very Well
  2. White Shirt
  3. Only One I Know
  4. Opportunity
  5. Then
  6. 109, Pt. 2
  1. Polar Bear
  2. Believe You Me
  3. Flower
  4. Sonic
  5. Sproston Green

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