「OK COMPUTER」(1997) / Radiohead

レビュー

イギリスはオックスフォード出身のロックバンド、レディオヘッドによる3作目の作品で、彼らの代表作として名高い。90年代の名盤ランキングでは尽く上位にランクインされる。

カメレオンバンドとしての片鱗

今でこそ作品ごとに音楽性がガラリと変わることが代名詞となったレディオヘッドだが、本作はその側面を初めて披露したといえる。そのためリリース当時のインパクトの大きさは想像に難くない。

前作『The Bends』では技巧的なギターロックバンドとしての一面を見せていたが、本作はさらにスケールアップ。加工された音や美的サウンドが、バンドサウンドと混ざり合い、神経質かつ壮大な内容に仕上がっている。

意外と聴きやすい名曲群

一見(一聴?)とっつきにくそうに感じる作品だが、最近聞き返すと、意外とそうではなさそうだと感じている。美しい音色による世界観だったり、バンドサウンドのかっこよさだったりにたちまちに引き込まれ、気がつけば個性的な各曲に徐々にハマっていくはずだ。

美しい面にフォーカスを当てた場合、#5「Let Down」#9「Climbing Up the Walls」#12「The Tourist」はトム・ヨークの歌い方もあって、儚さや終末感を感じさせる。個人的に好きな部分である。

ギターロックバンドとしての面は#8「Electioneering」の猪突猛進ぶりが特に印象的だが、#1「Airbag」#2「Paranoid Android」のようにバンドサウンドをメインに曲展開のインパクトで魅せる曲こそ、本作を象徴する部分だと感じる。

レディオヘッドの作品は明るい雰囲気の楽曲は少なく、それも相まって、ロックの名盤でありながらとっつきにくく感じるアルバムでもある。それでもロックの名作を聴きたい方には是非挑戦してみてほしい一枚。

トラックリスト

  1. Airbag
  2. Paranoid Android
  3. Subterranean Homesick Alien
  4. Exit Music (For a Film)
  5. Let Down
  6. Karma Police
  1. Fitter Happier
  2. Electioneering
  3. Climbing Up the Walls
  4. No Surprises
  5. Lucky
  6. The Tourist

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