2.Berlin
3.Weapon of Choice
4.Window
5.Cold Wind
6.It’s Not What You Wanted
7.666 Conducer
9.Lien on Your Dreams
10.Need Some Air
11.Killing the Light
12.American X
13.Am I Only
ダルそうなボーカルが重なる、熱を帯びたガレージロック
BRMCの3rdアルバム。ロックンロール・リバイバルが叫ばれて久しい昨今、彼らもその枠に括られるであろうサウンドを鳴らしているが、このバンドについては、他と一線を画しているように思えてならない。名曲#3「Weapon of Choice」などで感じる、どのバンドよりも熱いガレージロック。その影で見え隠れする冷ややかで退廃的な雰囲気。ギターサウンドは火花飛び散るほどにけたたましく、リズム隊も熱のこもった演奏を繰り広げる。特にダルそうなヴォーカル、ノイズを多用した荒々しいサウンドが特徴的で、それはJ&MCが引き合いに出されることからも想像がつくだろう。ロックのルーツをサイケデリックに彩っているバンドといえよう。
前述の#3は言うまでもなく素晴らしいが、この曲を含め、厚みのあるバンドサウンドについては、もはや3ピースとは思えぬ圧倒的な迫力を持っている。極端に歪ませたギター、うごめくようにうねるベース、サウンドの迫力を決定づけるドラム。ミドルテンポの曲が多いことも手伝い、ドッシリと腹に響く、黒くて重みのあるバンドサウンドが作り上げられている。・・・一方でその熱気を冷ますような、ジザメリまんまなヴォーカルも印象的で、これこそがジザメリを引き合いに出される要因と言える。
最初の三曲のかっこ良さは圧巻で、本作の魅力が詰まっていると言える。他にも、顔がほころぶほど穏やかな#8と、即興のような演奏で妖しい音色を響かせる9分の大曲#12などが、この作品では光っている。鍵盤を叩くように鳴らすピアノをはじめ、クラシカルなサウンドも随所におりまぜ、古き良きロックを体現しながらも新しいサウンドに消化している。BRMCの他の作品と比べると、アグレッシブさが全面に押し出された、力強いロックアルバムである。熱気と冷気を帯びた、退廃的な新世紀ロックンロールバンドの名作。
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