「181920」(1998) / 安室奈美恵

レビュー
1.Body Feels EXIT
2.TRY ME~私を信じて~
3.Chase the Chance
4.太陽のSEASON
5.You’re my sunshine
6.How to be a Girl
7.SWEET 19 BLUES
8.Dreaming I was dreaming
9.Stop the music
10.a walk in the park
11.Don’t wanna cry
12.CAN YOU CELEBRATE?

時代を彩った、小室哲哉プロデュース時代のベストアルバム

安室奈美恵がデビュー時から産休に入るまでの12枚のシングルを網羅したベストアルバム。

小室哲哉プロデュースで、90年代にムーブメントを起こすほどの人気を誇った彼女。その当時を彩ったシングルがすべて収録されている。タイトルを見ただけで、すぐにその曲のサビが口ずさめる、印象に強くのこっている楽曲の数々。・・・改めて時代を動かしていた力強さが感じられる。

一曲ずつ聴いてみてわかったのだが、それぞれの曲の完成度の高さに驚かされた。こんなにいい曲だったっけ?と感じるほど、どの曲も思わずのめり込んでしまった。それぞれサビのインパクトは強いのは分かっていたが、そこ以外の部分の作り込みが素晴らしい。ここでこう来たか!という流れの連続は、聴き手を飽きさせない音のジェットコースターといったところか。これは小室哲哉の才能によるところなのだろう。現在のJ-POPシーンのヒット曲よりも、曲構成やサウンドが凝っているため、さすが時代を動かした人だなと感心してしまった。

一曲一曲書くときりがないので、個人的に好きな曲をピックアップしてみる。
まず「TRY ME~私を信じて~」。こちらは、with スーパーモンキーズ名義でリリースされた楽曲。おそらく最もシンプルな構成の楽曲だが、それゆえにムダがなく、ユーロビート調のサウンドが時代を感じさせる。次に「You’re my sunshine」。聴き返している中で最もイイ発見があった曲。前述の”こんないい曲だったっけ?”を一番実感した曲とも言える。まったりとした出だしから急に加速し始め、中盤のサビで爆発するような珍しい流れの曲で、最後の最後まで飽きさせない。

これは言うまでもないが、小室哲哉が生み出した巧みな楽曲を歌いこなしてきた安室奈美恵の実力も、当然認めざるをえない。ハリがあり気持よく伸びていく歌声は、ただただカッコ良く、聴いていてスカッとする。現在と比較すれば、やはり当時の歌声のパワフルさは全盛期のそれだろう。一方で「Dreaming I was dreaming」のような落ち着いた曲も、クールに歌いこなす。当時のカッコイイ女性像は、おそらく彼女を置いて他にいないだろう。それを小室哲哉はその魅力をうまく引き出し、素晴らしい化学反応を起こしたということなのだろう。

その化学反応で、90年代を彩った楽曲を網羅した本作。小室哲哉と安室奈美恵の全盛期を手っ取り早く聴くことが出来る、とても質の高いベストアルバムである。

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