日本のオルタナティブロックバンド、Luminous Orangeの4thアルバム。
この作品では元ナンバーガールのアヒトイナザワと中尾 憲太郎をサポートメンバーとして迎えてレコーディングされている。
ペンキをぶちまけたようなサウンド
キリキリと唸るカラフルなギターノイズと脱力的なヴォーカル、さらには高度なテクニックを披露するドラム音などが、畳みかけるようにして耳に飛び込んでくる。
不規則に並べられたようなそれぞれのメロディを紡ぎ合わせ、抜けの良いサウンドに仕上げている辺りは、センスの良さを感じるところ。
この色彩豊かなバンドサウンドを「ペンキを壁にぶちまけたようなサウンド」とどこかのレビューで目にしたが、的を射すぎて共感しかなかった。
外の暖かい日の光に照らされ、草むらを走り回っている様をイメージさせる、高揚感に満ちたアルバムである。
邦楽オルタナの系譜を継承したバンド
聴き始めた当初、Sonic Youthに似てるなー、という印象を強く持っていた。特に#3「The Sky」、#4「Turbo R」辺りは、ノイズの取り入れ方や音の持っていき方がソックリ。
サポートメンバーがナンバーガールのメンバーであることもあるのだが、それに加えこのバンドはシューゲイザーというジャンルで括られることも多く、厚みのあるギターサウンドと脱力感のあるヴォーカルが特徴的である。
ナンバーガールやブラッドサースティーブッチャーズといった邦楽の裏側を連綿と続いている、いわゆる邦楽オルタナティブの流れ、そしてスーパーカーやコールターオブザディーパーズといった邦楽シューゲイザーの流れ、どちらから回ってきてもかなり重要なポジションにいるバンドではあるのだが・・・
邦楽オルタナティブ好きなのにルミナスオレンジを知らないのはもったいない | BASEMENT-TIMES
しかしこの色彩豊かなアルバム内においてそれは、バンドの表現の幅を広げたことを証明してくれる重要な要素となっているのは間違いない。
ちなみにバンドがリリースしてきた作品と比較すると、以前までと比べ、サウンドの力強さとスピード感がグッと増しており、さらにロック色が強くなったことを感じさせる。
ざらっとした質感のギターサウンドを掻き鳴らし、甲高く唸らせ、テクニカルなリズム隊とともに突っ走るこの作品は、刺激的なギターロックをお探しの方にはぜひ聴いてもらいたい作品。
トラックリスト
- Drop You Vivid Colours
- How High
- The Sky
- Turbo R
- Give a Hint
- Utatane no Hibi (l’ecume des jours)
- Starred Leaf
- Mother Pearl
- Sun Ray
- Rusty Wheel
※赤マーカは、おすすめ曲
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