L’Arc~en~Cielの8thアルバム。99年に出された二枚の作品で絶頂を極めたバンドは、本作でも帯びた熱を抑えることはなく、それどころかより一層解放させたような力強さを感じ取れる。
その熱はもちろん惰性なんかではなく、色彩豊かなバンドのセンスも盛り込まれ、一風変わったバンドの領域を垣間見ることができる。
全盛期を司る傑作
個人的な感想としては、今まで手で触れられない場所で妖艶な世界を作っていたラルクが、少しだけ地上に降りてきたような印象を持ち、まさにラルクなりにリアルを意識したような作品なんだと感じた。だからこそ#4「Bravery」、#7「Stay Away」のような垢ぬけて元気な楽曲ができたのだと思う。
さらにそれとは対照的な、ハードロックを意識した#2「The Nepenthes」や絶望感漂う#6「Finale」などが配置されているように、本作ではふり幅の大きさが目立つ。今までも特色ある作品を器用に作り上げてきた彼らだが、本作はそれ以上だろう。
非常にダークな#1「Get Out from the Shell」で幕を明け、以降は熱のこもった名曲がどんどん続く展開にはこちらも興奮させられる。
因みに購入当時は四曲の先行シングルがあまりに秀逸だったため、そればかり聴いてた記憶がある。もっと言えば#5「Love Flies」はラルクの曲の中でも五本の指に入るほど好きだ。
今思えば本作は、先行シングルのインパクトが大きすぎて、アルバム曲が霞んでしまった感じが否めない。
ただ前半の二曲はアルバムを象徴する素晴らしい曲なだけに、全部がそうとは言い切れないが。
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