地を這うベースと綺麗な音色が組み合わさった名作
ブリストル出身のユニット、Massive Attackによる2作目のオリジナルアルバム。
Everything But the Girlのヴォーカリスト、トレイシー・ソーンがヴォーカル参加した表題曲#1「Protection」も収録。また、前身バンドThe Wild Bunchの順メンバーだったTrickyもゲストに迎えて制作となった作品でもある。
彼らの音楽は、地を這うような重たいベースサウンドを軸にした暗い雰囲気が特徴的で、そこに繊細な音色を乗せながら淡々と進行していき、荘厳さを演出する。クールすぎてノレないクラブミュージックといった趣のサウンドで、一聴しただけでは良さを理解しづらいが、深夜にじっくり耳を傾けたくなる作品である。
各楽曲のヴォーカルも語りのようであり、感情を殺したように無機質さは本作の重苦しさを際立たせる。
おすすめの楽曲だが、表題曲は名曲なのでぜひ聴いてもらいたいが、ヒップホップ色の強い#2「Karmacoma」、ミニマル・ミュージックのように同じフレーズを淡々と繰り返す#4「Weather Storm」などが個人的に本作では印象的だった。
モノトーンのダークな雰囲気を、数少ない音で表現した本作は、Massive Attackの名作に数えられており、1st『Blue Lines』、3rd『Mezzanine』とともに90年代の名盤である。
トラックリスト
- Protection
- Karmacoma
- Three
- Weather Storm
- Spying Glass
- Better Things
- Eurochild
- Sly
- Heat Miser
- Light My Fire(live)
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