1.Anysound
2.Nothin’s Comin’
3.Candy Daze
4.Vision Valley
5.Don’t Listen To The Radio
6.Gross Out
7.Take Me Back
8.Going Gone
9.Fuck Yeh
10.Futuretarded
11.Dope Train
12.Atmos
13.Spaceship

1~2分の真剣勝負

The Vinesの3rdアルバム。おそらく本作を聴いた人が真っ先に感じるのは、曲の作りがとてもあっさりしている、ということだろう。その簡素な作りは徹底していて、黒いジャケットやモノクロのPVなどにもそれは表れている。とにかく本作を取り巻くものがとことんまであっさりしていて、まるでリスナーに深入りされるのを拒んでいるかのようにも感じられる。もしくは、部分的に良いメロディが沢山浮かび、それらを活かすには単純な作りがベストだと考えてのことなのかもしれない。

まず、収録時間が約32分と非常に短く、一曲一曲が一分~二分の曲ばかり。1stで感じた、クレイグの精神不安定さがもたらす危険なサウンドは減ってしまったが、口ずさみやすい楽曲の良さも手伝い、非常に聴きやすい作品に仕上がっている。全体的に穏やかなギターロックが多くて曲の振れ幅はそれほど感じず、スピーディーにアルバムは流れていくが、その波はとても優しい。中でもアコースティックなサウンドの4#「Vision Valley」、8#「Going Gone」はヴァインズの曲の中でも特に美しい。もちろん6#「Gross Out」や、9#「Fuck Yeh」のように、噛み付くような荒々しさを持った曲もあるが、今回は口ずさみやすいギターロックとスローテンポの曲が印象的だった。

バンドは、デビュー作で早々に注目を浴びてしまったがために、以降の作品を作るにあたり過度のプレッシャーを感じただろうし、クレイグの病のこともあってバンドも存続が危うい状況であった。想像するに、彼らは前作の2ndで早くもマンネリを感じて、今回新たにこのような作風になったのかもしれない。本作に深みや斬新なサウンドは無いけれど、ギターロックのかっこ良さと鮮やかさをリスナーに叩きこませるには十分のアルバムだ。


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