「Victorialand」(1986) / Cocteau Twins

レビュー
1.Lazy Calm
2.Fluffy Tufts
3.Throughout the Dark Months of April and May
4.Whales Tails
5.Oomingmak
6.Little Spacey
7.Feet-Like Fins
8.How to Bring a Blush to the Snow
9.The Thinner the Air

微細な感性を刺激する静寂の世界

Cocteau Twinsの4thアルバム。傑作「Treasure」の次作にあたる作品で、今作も前作同様、荘厳さを突き詰めたようなサウンドが展開されている。エリザベス・フレイザーの声といい、月夜に照らされたガラス細工のようなギターの音色といい、天上界から響き渡るようなサウンドメイクには相変わらずうっとりとさせられてしまう。

本作の特徴としては、ドラムが全くと言っていいほど取り入れられていないこと。これが、より非現実的で近寄り難い厳かな雰囲気を創りあげているように思う。メロディの湖を漂うかのような雰囲気は、息を飲むほどに幻想的で穏やか。かつ抑揚をほとんどつけずに、アルバム全体で一定の流れを保っている。おそらくCocteau Twinsの作品で最も統一感のある作品で、とてもあっさりと聴けるアルバム。・・・とはいえ、思い切ったサウンドの変化をしなかったバンド(良い意味で)なので、その違いは微々たるものだが、寝静まった宵に溶けこんでいく雰囲気は、本作が圧倒的。思えば歌声もとても繊細に響いており、張り上げたようなヴォーカルはほとんど無い。

個人的に#1「Lazy Calm」のイントロが特にお気に入りで、静寂から生まれたような繊細な音色に聞き惚れる。他にも、深い闇を感じさせる、物哀しい#4「Whales Tails」も素晴らしい。前作のように目立った名曲は無いが、アルバムを通してとても調和のとれたアルバムである。

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