「Protection」(1994) / Massive Attack

レビュー

地を這うベースと綺麗な音色が組み合わさった名作

ブリストル出身のユニット、Massive Attackによる2作目のオリジナルアルバム。
Everything But the Girlのヴォーカリスト、トレイシー・ソーンがヴォーカル参加した表題曲#1「Protection」も収録。また、前身バンドThe Wild Bunchの順メンバーだったTrickyもゲストに迎えて制作となった作品でもある。

彼らの音楽は、地を這うような重たいベースサウンドを軸にした暗い雰囲気が特徴的で、そこに繊細な音色を乗せながら淡々と進行していき、荘厳さを演出する。クールすぎてノレないクラブミュージックといった趣のサウンドで、一聴しただけでは良さを理解しづらいが、深夜にじっくり耳を傾けたくなる作品である。

各楽曲のヴォーカルも語りのようであり、感情を殺したように無機質さは本作の重苦しさを際立たせる。

おすすめの楽曲だが、表題曲は名曲なのでぜひ聴いてもらいたいが、ヒップホップ色の強い#2「Karmacoma」、ミニマル・ミュージックのように同じフレーズを淡々と繰り返す#4「Weather Storm」などが個人的に本作では印象的だった。

モノトーンのダークな雰囲気を、数少ない音で表現した本作は、Massive Attackの名作に数えられており、1st『Blue Lines』、3rd『Mezzanine』とともに90年代の名盤である。

トラックリスト

  1. Protection
  2. Karmacoma
  3. Three
  4. Weather Storm
  5. Spying Glass
  1. Better Things
  2. Eurochild
  3. Sly
  4. Heat Miser
  5. Light My Fire(live)

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