「Hot Fuss」(2004) / The Killers

レビュー

ポストパンク・ムーブメントを先導したアルバム

The Killersのデビューアルバム。先行シングル②④が本国アメリカよりも先にイギリスで火がつき、②に至ってはUKチャートのトップ10にランクインする大ヒット。その後発表されたこのアルバムは、イギリスを中心に約700万枚の大ヒットを記録し、早くも人気バンドの仲間入りを果たした。彼らがニューウェイヴからの影響を大いに受けているのはこの作品を聴けば明らかだが、実験的なサウンドを誰もが口ずさめるようなポップロックに消化させて、とても親しみやすい作品となっている。

全体的にどこか冷めたような楽曲が多く、バックで爽やかに鳴るシンセの音とダンサブルなサウンドがとても印象的。そこに低音を基調としたヴォーカルが重なったことで、哀愁を帯びた世界観が出来上がっている。そんな彼のヴォーカルは、決して声を荒げることはなく淡々としたものであり、とても渋い。メロディアスなギターを加えるとその雰囲気は顕著となり、とても都会的なサウンドとなっている。因みに個人的には、②のPVも影響してか、夜に貴族がダンスに明け暮れているのが頭に浮かぶ。

最近のロックリバイバルバンドとは違うアプローチで注目されている彼らのサウンドは近代的ではあるが、そのサウンドにはニューウェイヴ~マッドチェスター期のUKサウンドのリバイバル的要素も含まれており、昔のロックファンを喜ばせているという。

トラックリスト

  1. Jenny Was A Friend of Mine
  2. Mr. Brightside
  3. Smile Like You Mean It
  4. Somebody Told Me
  5. All These Things That I’ve Done
  6. Andy, You’re A Star
  1. On Top
  2. Change Your Mind
  3. Believe Me Natalie
  4. Midnight Show
  5. Everything Will Be Alright

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