「Happy Songs for Happy People」(2003) / Mogwai

レビュー
1.Hunted By A Freak
2.Moses? I Amn’t
3.Kids Will Be Skeletons
4.Killing All The Flies
5.Boring Machines Disturbs Sleep
6.Ratts Of The Capital
7.Golden Porsche
8.I Know You Are But What Am I?
9.Stop Coming To My House
10.Sad DC *

穏やかな海洋を航海するようなアルバム

Mogwaiの4thアルバム。静寂な世界観とそれを切り開く轟音サウンドで、強烈な緊張感をそれぞれの曲で作り上げてきた彼ら。今回は過去の作品と比べると、多少抑揚が抑えられているようで、とても穏やかな印象を受ける。その点は前作を継承してるのだろうか。いきなり殴りこんでくる轟音に驚かされたりすることなく(笑)、とてもスムーズな曲展開がされているといった感じである。

賛美歌に溢れているかのようなタイトルだが、個人的には祝福されている雰囲気は感じ取れず、航海をしている想像ばかりが頭をよぎる。穏やかな水面だけを漂うわけではなく、時に襲ってくる嵐にも立ち向かい、陸地を目指すわけである。そんな想像を膨らますことができるのも、ストーリ性に富んだ楽曲がなせる業であるというのは言うまでも無い。CGによるPVがとにかく悲しかった①は聴くたびに目頭が熱くなる。エフェクトのかかった声はもはやサウンドの一部分と化している。取り立てて起伏の激しい曲を挙げるならば④。後半の大音量のノイズまでの過程の緊張感がたまらない。

前作の影響でピアノなどのクラシカルなサウンドも聴かせており、穏やかさが増し、海面を漂う心地よさがいっそう強く感じ取ることができる。そしてそのとき、タイトルの幸福感の意味を少しだけ理解できたのである。

 

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