「Going Blank Again」(1992) / Ride

レビュー

多様な楽曲で攻める、ライドのもう一つの名作

Rideの2ndアルバム。シューゲイザーブームの口火を切った傑作『Nowhere』でブームの中心的存在となった彼らが放った新たな作品。本作ではシューゲイズ色は薄れたが、彼らの非常に幅広い音楽性を感じさせるものとなっている。いささかポップに傾倒したものの、更なる飛躍を果たしたライドの「もう一つの傑作」と言える作品ではないだろうか。

大胆なストリングスの導入やプログレッシヴな曲展開、はたまた王道ジューゲイザーなど、前述通り非常に幅広い音楽性を本作で披露している。そして、前作に比べて音の輪郭が鮮明になった印象で、尚且つ彼らのポップセンスの高さにも驚かされた本作。7分を超えるプログレッシブな①や、極上のポップソング②はライドのファンの間で根強い人気を保っている名曲。個人的には、後半の手数の多い激しいドラムさばきがインパクト大だった⑦や、アコースティックな単音メロディとシンセの音が耳に残る⑨が特に印象的だった。

一般的な評価は1stの方が高いが、根強いライドのファンからはこの作品を支持する声も高い。そして、このアルバム以降のライドはブリッドポップの方に本格的に突入するので、轟音シューゲイザーのライドは本作が見納め(聴き納め)となる。

トラックリスト

  1. Leave Them All Behind
  2. Twisterella
  3. Not Fazed
  4. Chrome Waves
  5. Mouse Trap
  1. Time of Her Time
  2. Cool Your Boots
  3. Making Judy Smile
  4. Time Machine
  5. Ox4

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