「ex Negoto」(2011) / ねごと

レビュー
1.サイダーの海
2.ループ
3.カロン
4.ビーサイド
5.メルシールー
6.ふわりのこと
7.七夕
8.week…end
9.季節
10.AO
11.揺れる
12.インストゥルメンタル

健やかでエネルギッシュな新世代ガールズロック

ミニアルバム「Hello!“Z”」を経て、満を持してリリースされた、ねごとのメジャー1stフルアルバム。ミニアルバムに収録されていた#2「ループ」、シングル#3「カロン」、#5「メルシールー」を収録。

閃光ライオットにて審査員特別賞を受賞したことでも話題になった、若干20歳のガールズバンド。若々しくスピード感溢れるエネルギッシュなガールズロックと言ってしまえばそれまでだが、それに加えてシュワっと弾ける炭酸のような心地よさが印象的だった。音に浸る心地よさを表現しているとでも言うべきその瑞々しいバンドサウンドは、若さゆえの未完成さを全く感じさせない。

幅広い音楽性を意識しながらもポップに消化するそれぞれの楽曲を聴く限りでは、既に自分たちの世界観を確立させているようである。もはやメジャーで数枚フルアルバムを出していてもおかしくないほどの安定感と完成度を誇っていて、正直ビックリした。爽やかで清らかな心地良いギターの音色、透き通る歌声ながらも声量のあるヴォーカル、骨太でテクニカルなドラムとベース。清涼感溢れるそれぞれのパートが重なり、”サイダーの海”という形容を使いたいほどの心地良いバンドサウンドが生み出されている。

それにしても、本作の序盤における名曲のオンパレードっぷりは素晴らしいとしか言いようがない。中でも#1「サイダーの海」は、彼女たちの瑞々しくもパワフルな魅力が凝縮されている。跳ねるようなキーボードの音色、サビのコーラスワーク、疾走感など、文句のつけようがない名曲。

聴く前は無意識の内にチャットモンチーと比較してしまい、実際そのようなサウンドを期待していたが、全く違っていたことにすぐ気づいた。癖もなく、パワフルでストレートなねごとのサウンドは、むしろチャットモンチーより好みなサウンドだった。潔いほどの疾走感で駆け抜け、その透明感でリスナーを別世界へ誘う、新世代ガールズロックバンドによる名盤の誕生。あとは彼女たちの今後の更なる飛躍を祈るばかり。

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