2.走る(Album Ver.)
3.Baby Face
4.月曜の朝
5.パイロット
6.Heavenly Blue
8.ユッカ
9.ねこといぬ
10.孤独
11.DIVE
多感な少女がみせる、大人びた表情
主役級のキャラクターを数多く演じる大物声優でありながら、歌手としての活動も積極的に行う彼女。そして本作は、二作目にあたるオリジナルアルバム。タイアップ曲が無いということからも、彼女の歌手活動の意欲が伝わってくる作品である。
近年は彼女に限らず声優が歌手活動をする姿が印象的だが、坂本真綾はその中でも、繊細で透明感のある歌声が特徴にあげられる、とても風通しのいいアーティストである。菅野よう子と組んで作り上げられてきた、澄み渡っていくような心地良い世界観は、彼女の声優活動を知らない方にこそ聴いてもらいたいと思う。
儚げでありながらも力強さを兼ね揃えた歌声。そこからは彼女が当時十代だったとは到底思えないほどの大人びた雰囲気を漂わせている。ただ、本作においては、精神的に背伸びしている多感な少女を連想させるモノとなっており、それがこのアルバムの魅力にもなっている。
穏やかに進行していく楽曲が多く、全体を通してじっくりと雰囲気を楽しむ作品となっている。それは、ジャケット写真とタイトル「DIVE」が表すように、水と戯れながら、次第に溶け込んでいくようなイメージを連想させる。
先行シングル「走る」は、青空の下を駆け抜けていく心地よさがたまらない名曲。他にも「Baby Face」でみせる無邪気な表情、青空を仰ぐような「パイロット」など、青春時代を切り取ったような爽やかな楽曲が並ぶ。その一方でダークサイドとも言える「月曜の朝」は、個人的に本作のベストトラック。低いトーンで淡々と進んでいき、緊張感や絶望感を漂わせる、本作ならではの楽曲ではないだろうか。
彼女のシンガーとしての表現力と世界観の型は、本作でほぼ出来上がったように思う。聴かせる、雰囲気を堪能するという意味では、以降の作品でも共通しているので、本作が気に入った方は、坂本真綾の作品を聴く土台はできたと言えよう。本作をきっかけに神秘的な彼女の歌声にハマってほしい。
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