2.光の射す方へ
3.Prism
4.アンダーシャツ
5.ニシエヒガシエ
6.Simple
8.#2601
9.ラララ
10.終わりなき旅
11.Image
影の強いミスチル
全盛期から少しずれているけど、個人的にこの辺りがミスチルとの本格的な出会いだった。同時にこの頃の方が、陰が強くて好きだったりする。大ヒット曲を立て続けにリリースしてきた後なので、”落ち着いた”と言ったら月並みな表現になってしまうけれど、世間的からすれば本作の認識はそんな感じだろう。
もう、本作を表現するものはモノクロのジャケットと#1「DISCOVERY」で十分かもしれない。今までの”壮大なスケールのバラード”や”底抜けにキャッチーな曲”というのはほとんどなく、本作は地味で薄暗い印象がつきまとう。日常生活の中で感じる憂鬱感、不満感。それを爆発させるでもなく、ブルーな気持ちを淡々と曲に反映させた、といった印象の作品である。
#2「光の射す方へ」は先行シングル曲だが、#1「DISCOVERY」の雰囲気を引きずったような虚無感があり、本作で特に存在感を放っている。シングルカットされた曲といえば#7「I’ll Be」、ヒット曲#10「終わりなき旅」などがあるが、曲調は違えどこちらも色のついていない写真を眺めているようなモノクロ感を感じさせる。#6「I’ll Be」は9分に及ぶ曲だが、暗闇の中で一筋の光を探すような、希望に満ちた心地よい楽曲である。
一方でロックバンドとしての荒々しい一面を垣間見れるのも特徴である。ヒット曲#5「ニシエヒガシエ」や#8「#2601」はギターのリフが特徴的で、彼らのギターロックを堪能でき、とてもかっこ良い。
全体的に怠惰な雰囲気を感じさせる、ミスチルの作品の中では異質な部類に入る作品。世間に媚びずに音を鳴らしている感じがとても痛快。キャッチー過ぎない分、雰囲気を味わうように聴くのがコツで、結果的に長い期間ゆったりと楽しめる作品であるように思う。個人的に本作は、ボーッとしたい時や、西日が差し込む時間帯にさり気なく流すのが好き。
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