「Dig Your Own Hole」(1997) / The Chemical Brothers

レビュー
1.Block Rockin’ Beats
2.Dig Your Own Hole
3.Elektrobank
4.Piku
5.Setting Sun
6.It Doesn’t Matter
7.Don’t Stop The Rock
8.Get Up On It Like This
9.Lost In The K Hole
10.Where Do I Begin
11.The Private Psychedelic Reel

90年代クラブミュージックの代表格

ノエル・ギャラガーがヴォーカルで参加した#5「Setting Sun」や、シングルカットされた#1「Block Rockin’ Beats」の大ヒットにより注目を集めた彼ら。今思えば、ロックミュージシャンがクラブ系の音楽にゲスト参加したという事実こそが、注目された大きな要因ではないかと思う。これによってロックファンがテクノ・クラブミュージックに関心を示すきっかけが生まれ、ケミカルブラザーズは「ビッグビート」なる新たなクラブミュージックを開拓。本作はその「ビッグビート」サウンドを世に知らしめた、ケミカル・ブラザーズの出世作である。

従来のクラブミュージックを遥かに上回る重量感と音圧で、ひたすら聴き手の鼓膜を圧倒し、部屋を無理やりライブステージに変えてしまいそうなほどの力強さを持つ。ロックの熱気とクラブの躍動感を組み合わせたサウンドがフィーチャーされた彼らだが、当時としては”在りそうで無かった”音楽だったのだと思う。まさしく時代が求めていたサウンドだったのだと言える。#1「Block Rockin’ Beats」から始まる最初の三曲での滑っていくようなスピード感は、そのカッコよさに箔をつけている。身体をぶつけあうほどの勢いで序盤を通り過ぎた後に#5「Setting Sun」へとなだれ込んでいく様は、本作の最大の見せ場といえる。

同時期にブレイクしたプロディジーの活躍も手伝って、ビッグビートやデジタルロックはたちまち時代を先導する音楽となった。おびただしい熱気を感じながらも、ひたすらクールな電子音と生音との融合により、思わず「カッコ良い…」という声が漏れてしまう。プロディジーの「The Fat of the Land」とともに、90年代のクラブシーンを語る上で欠かせない名作。

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