「Adore」(1998) / The Smashing Pumpkins

レビュー
1.To Sheila
2.Ava Adore
3.Perfect
4.Daphne Descends
5.Once Upon a Time
6.Tear
7.Crestfallen
8.Appels + Oranjes
9.Pug
10.The Tale of Dusty and Pistol Pete
11.Annie-Dog
12.Shame
13.Behold! The Night Mare
14.For Martha
15.Blank Page
16.Once in a While *
17.17

打ち込みの音を主体に作られた陰鬱な雰囲気

Smashing Pumpkinsの4thアルバム。前作は内容もさることながら、世界で1000万枚を越える大ヒットを記録。バンドはたちまちオルタナティヴロックの頂点に君臨することとなった。しかしその栄光とは裏腹に、バンド内ではジミーチェンバレン(Dr)がドラッグを理由に解雇されるなど問題は膨らむばかり。ついにはドラマー不在のまま本作は制作されていき、現在もしばしば問題作扱いされている「アドア」はリリースされたのである。

今回は打ち込みによるサウンドを主体としており、粒の粗いパワフルなギターサウンドはポイント的にしか使われていない。当時のバンド内の雰囲気や、ビリーのニューウェイブ思考が反映されていると言えるが、それにしても元気が無い。夜の公園のベンチで街灯にじっと照らされているような寂しさを湛えており、とても大人しい。今までにも落ち着いた楽曲というのは沢山あったが、今回の作品に関してはいささか鬱の雰囲気が強い。ジミーが不在でテクニカルなドラムがお預け、ということもあり、アグレッシブさはさらに影を潜める。

しかしバンドにとってこの時期は、余りある独創性を発揮するには良い機会だったのかもしれない。アコギやピアノの旋律一つをとっても他のバンドとは違う世界観を出来上がっており、個人的にも今までに見えなかった彼らの魅力というものを再認識させられた作品である。しかしファンにとっては、内省的なサウンドだけではなく、アグレッシブなサウンドも期待していたというのが本音。この作品は賛否両論となってしまった(因みに日本ではアドアが最も売れたという)。

個人的に「轟音ギター」と「ジミーのドラム」というのは、スマパンを形成するための重要な柱であって、絶対に欠けてはならないものだと思っている。そのため問題作と言われていることについては納得せざる終えなかった。因みにビリーはこの作品について「自信作」と語っていただけに、散々な評価に相当ショックを受けたとか…。

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