1.This Is Love
2.Keep Tryin’
3.BLUE
4.日曜の朝
5.Making Love
6.誰かの願いが叶うころ
7.COLORS
8.One Night Magic
9.海路
10.WINGS
11.Be My Last
12.Eclipse (Interlude)
13.Passion

センスの良さが顕著に現れ出し、緊張感が表面化してきた作品

宇多田ヒカルの4thアルバム。03年発表の⑦から、本作リリース直前に出された②まで、収録曲のリリース時期にばらつきがあり、本作に収録されているそれらのシングルは5曲に及ぶ。一瞬、その長い期間にできた曲の寄せ集めのような作品なのかと気になってしまったが、その悩みも杞憂に終わらせるほどに素晴らしい内容。振り返ってみれば04年には海外で作品をリリースし、はたまた日本では映画のタイアップもあった・・・。このアルバムの製作期間中に活動範囲が広がったことで、心境に少なからず変化が起こっていたのは間違いない。本作は、長い期間に得た音楽センスを結集させた作品である。

そもそもシングル5曲の出来が良く、タイアップの①も含めれば、殆どの人にとって半分ほど既に聴いたことのある曲がアルバムを占める。なので、すんなりと聴くことが出来るのも本作の魅力の一つ。シュールさのある②と、ゲームのテーマ曲⑬は、別世界に連れていかれるような幻想的な空間が生み出されており、特に完成度の高さが伺える。・・・それにしても今回の作品は、過去の作品と比べると、全体的に冷ややかな音を使った美しい楽曲が多い。単純に”良い曲”と思って聴いていた過去の曲と比べると、曲にいろんな意味で”重み”が増している気がする。ただならぬ雰囲気や緊張感が全体に漂っていると感じる。

シングル以外では、アルバムの軸となっているという③や、個人的に本作のベストトラックの④は聴き所。④は派手さはないが、淡々と進むリズムと浮き沈みのある展開が癖になる、隠れた名曲。作品を出す度にに高い評価を受ける宇多田ヒカルは、今のポップス界では違う方向に枝分かれしながらも、今後も音楽シーンを支えてくれる存在となっていくに違いない。


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