1.Protection
2.Karmacoma
3.Three
4.Weather Storm
5.Spying Glass
6.Better Things
7.Eurochild
8.Sly
9.Heat Miser
10.Light My Fire(live)

地を這うベースと綺麗な音色が組み合わさった名作

ブリストル出身のユニット、Massive Attackによる2作目のオリジナルアルバム。
Everything But the Girlのヴォーカリスト、トレイシー・ソーンがヴォーカル参加した表題曲#1「Protection」も収録。また、前身バンドThe Wild Bunchの順メンバーだったTrickyもゲストに迎えて制作となった作品でもある。

彼らの音楽は、地を這うような重たいベースサウンドを軸にした暗い雰囲気が特徴的で、そこに繊細な音色を乗せながら淡々と進行していき、荘厳さを演出する。クールすぎてノレないクラブミュージックといった趣のサウンドで、一聴しただけでは良さを理解しづらいが、深夜にじっくり耳を傾けたくなる作品である。

各楽曲のヴォーカルも語りのようであり、感情を殺したように無機質さは本作の重苦しさを際立たせる。

おすすめの楽曲だが、表題曲は名曲なのでぜひ聴いてもらいたいが、ヒップホップ色の強い#2「Karmacoma」、ミニマル・ミュージックのように同じフレーズを淡々と繰り返す#4「Weather Storm」などが個人的に本作では印象的だった。

モノトーンのダークな雰囲気を、数少ない音で表現した本作は、Massive Attackの名作に数えられており、1st『Blue Lines』、3rd『Mezzanine』とともに90年代の名盤である。

1.Angel
2.Risingson
3.Teardrop
4.Inertia Creeps
5.Exchange
6.Dissolved Girl
7.Man Next Door
8.Black Milk
9.Mezzanine
10.Group Four
11.(Exchange)

深淵に広がる未知なる美しさ

1988年から活動を開始して以後、クラブシーンを牽引し続けているMassive Attack。彼らは、ヒップホップやロック、レゲエ、ダブなどの要素を巧みに盛り込みつつ、とても内省的な音楽をつくり上げる。中でも本作『Mezzanine』に関しては、その雰囲気を始め、クオリティが頭一つ抜けている傑作と言える。

その重苦しさと言ったら、まるで光の閉ざされた深淵を、手探りで動きまわっているかのよう…、とでも言おうか。地を這うような重低音が支配するこの世界観は、非常にゆったりと進んでいき、非常に重苦しい。ただ本作が白眉なのは、そんなダークさに神々しさが組み合わさり、とてつもない緊張感が生み出されていることではないだろうか。サンプリングを始め、サウンドのチョイスや組み合わせがとても美しく、まるで別次元の全く新しい世界を見せられているような感覚に陥る。

全体を通して非常に素晴らしい作品だが、中でも冒頭の3曲の存在感が強い。ロック色の強い#1「Angel」は、抑揚のついた曲展開がかっこ良すぎる。そして3Dとダディのボソボソと囁くラップがクールな#2「Risingson」から、Cocteau Twinsのエリザベス・フレイザーが参加した#3「Teardrop」へと続いていく。#3は、本作のダークさと神々しさが見事に表現された、彼らの代表曲。

Massive Attackは、計算された冷めっぷりがとてもカッコいいと思う反面、支持は少ないと思っていた。しかし、それを極めた『Mezzanine』が彼ら最大のヒットを記録したという事実は、改めて聞いても驚きである。ビッグビートが流行し、音圧のある攻撃的な電子音楽が流行する中、それに逆流するかの如くサウンドをそぎ落とし、攻撃力だけではなく空気感を重視した作風は見事。時代に左右されない普遍的なカッコよさを湛えた名作である。

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