パワプロ30周年と銘打ち、集大成として発売された「パワフルプロ野球2024-2025」。そのオープニングムービーが5月に公開されたが、それがとても素晴らしい内容だった。
各チームから日本を代表するOB選手が次々に登場する演出は、高いリスペクトを感じられて非常にかっこよい。
その演出について、意図やメッセージ性などについてコメント欄で色々な考察が溢れていて、それを踏まえて見返すと新たな発見がどんどん出てきて飽きが来ない。
そこでこのOPにて登場する選手やシーンの意図など考察をまとめてみたいと思う。
新たな考察を見つけ次第、随時追記して記事を完成させていきたいので、コメントなどでも教えていただければ嬉しい。
登場選手
まず、ムービーに登場するOB選手についてまとめる。以下はWikiから抜粋。
オープニングムービーに登場する選手は以下の通り(登場順)。
パワフルプロ野球2024-2025 -Wikipedia
- 大阪近鉄バファローズ・中村紀洋
- 阪急ブレーブス・福本豊
- 阪神タイガース・ランディ・バース
- オリックス・バファローズ(オリックス・ブルーウェーブ)・イチロー
- 広島東洋カープ・衣笠祥雄
- 千葉ロッテマリーンズ(ロッテオリオンズ)・落合博満
- 横浜DeNAベイスターズ・佐々木主浩
- 福岡ソフトバンクホークス・城島健司
- 読売ジャイアンツ・王貞治、長嶋茂雄
- 東北楽天ゴールデンイーグルス・岩隈久志
- 東京ヤクルトスワローズ・古田敦也
- 埼玉西武ライオンズ・松坂大輔
- 中日ドラゴンズ・星野仙一
- 北海道日本ハムファイターズ・小笠原道大
- 南海ホークス・野村克也
- 日本代表(侍ジャパン)・大谷翔平
各球団から基本1選手選ばれているわけだが、錚々たるメンツ。そのなかで唯一の現役選手として大谷翔平が登場。
印象的だったり、ぐっと来たシーンの選手をピックアップしてみる。
名シーンをオマージュした中村紀洋
復刻球団である近鉄バファローズから、中村紀洋が登場する。
映像のモーションは2001年、優勝に王手をかけることになるサヨナラホームランを打ったシーンのオマージュ。
これで近鉄はマジック1とし、2日後の試合の、北川敏文の「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン」へと繋がることになる。
鉄人衣笠が選出されたカープ
広島からは衣笠祥雄が登場。他に挙がる候補は、間違いなくミスター赤ヘル山本浩二。
衣笠とともにYK砲としてリーグ優勝に貢献した盟友。後述するONのように二人で登場してもいいくらいの存在だが、
国民栄誉賞を獲得していたこと、弔いの意味などもこめての個別選出だったのかもしれない。
数多くのレジェンドを輩出したジャイアンツ
各球団から1選手のみだが、ジャイアンツのみは王貞治 & 長嶋茂雄が登場。
映像では王が最初に登場し、直後に後ろから長嶋が登場する。
ジャイアンツは他にも松井秀喜や斎藤正樹、堀内恒夫などなど、レジェンドが多すぎて候補を挙げればきりがない。
ただ、この二人は別格過ぎるため納得の選出である。
プロ野球再編の絡みを感じさせる岩隈久志と古田敦也
二人は球団再編問題の渦中にいた選手。
岩隈は、今は無き近鉄バファローズ最後のエースであり、新規球団の楽天イーグルス設立時のエース。
古田は、プロ野球再編問題で先頭に立って尽力した選手。
その後、自らの意思で新球団を選んだ岩隈は後年、楽天を選んでよかったと語っているため、古田も報われたことだろう。
それを踏まえたうえでこのシーンを見ると、バッテリーのように見える演出が感慨深い。
さらにこのシーンで「消えることなくどこまででも」という歌詞を被せているのも、なかなか粋である。
改めてこのムービーは、プロ野球の歴史を凝縮しているのだと思わせるシーンである。
抑え目な演出で登場する野村克也
本ムービーで最も見どころなシーン。
他の選手の演出と比べるととても控えめな登場だが、かえってそれがノムさんの生き様を表しているかのよう。
「王と長嶋が向日葵なら、俺は日本海に咲く月見草」と自身を表現したことはあまりにも有名。
ムービーでは、パワプロ君(主人公)にボールを渡したあと、鼓舞するようにグラブを叩き、暗がりのキャッチャーのポジションに戻っていく。
一見、何ともない試合の一コマに見えるのだが、その様はまるで、役目を終えたノムさんが「後は頼んだ」と言わんばかりに消えていくかのようで、とても切ないのである。
ノムさんと大谷とのやり取り
さらに泣かせに来るのが、ノムさんがポジションに戻った直後に大谷翔平が登場するところ。
大谷と重なる年月
1994に第一作が発売されたパワプロだが、大谷が生まれたのも同じ年。つまりパワプロが生まれた年に大谷が生まれのである。
そしてムービー内の「夢を与えるプロになる」と
■歌詞とリンクする映像
「辿り着いた場所が 運命のダイヤモンド」
バース
→「今までは、いてもいなくてもいい選手だったけど、ここに居場所を見つけたという気持ちになれたのが、あの優勝のおかげだったんだ。
本当に私を必要としてくれるチームに出会えた。優勝の瞬間にそう実感したことを、今でも鮮明に覚えているよ」のコメントとリンクする。
「何千回 もう何万回も 涙流した~」
イチロー
→「4000安打打つために8000回以上悔しい思いをした」というコメントとリンクする
「「憧れ=限界」だから もういらないよ そこに留まるなんて もったいないでしょ?」
大谷翔平
→「憧れるのをやめましょう」を踏襲しつつリスペクトも込めた歌詞と思われる。
「消えることなくどこまででも」
岩隈久志、古田敦也
→プロ野球再編問題による球団消滅を回避したこと示唆している?
プロ野球の歴史は続く
登場選手から歌詞の内容まで、かなり作りこまれていることがよくわかるオープニングムービーである。採用されている主題歌もとても合っていて、豪華な演出に一役買っている。
今のスター選手がどのような成績を残し、数十年後にどのようなレジェンドとなって語り継がれていくのか。今後のプロ野球も目が離せない。
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