前回、Telefon Tel Avivを紹介した流れで、引き続きエレクトロニカの名作にスポットを当てたいと思う。本作は、オランダのエレクトロニカミュージシャンによるソロプロジェクト、Kettelの代表作。
夏に聴きたくなる涼しげな作品
水を表現したような涼しげなサウンドが印象的で、暑い夏に聴きたくなる一枚。特にピアノの旋律が心地よい#2「Pinch of Peer」は本作を象徴する一曲。
エレクトロニカ、アンビエントとして括られることの多い本作だが、紡がれるその優しいメロディ群は、心の琴線に訴えかけるような、川辺の風景を思い起こさせるような、体をサウンドに委ねて漂わせたい心地になる。
一方でグリッチノイズのようなIDMならではの幾何学的なサウンドやリズムも融合させ、アート感や前衛的な雰囲気も漂わせる。当時のエレクトロニカにおいて新たな可能性を示した、もしくはアンビエント系エレクトロニカとして完成された作品であると言える。
Kettelの出世作にして、いまだ根強い人気を誇る
タイトルの「Re:」から察する通り、本作はリイシュー作品であり、オリジナルは2005年にリリースされた。プレスされたのはたった500枚でありながらも、即完売となり、再販を熱望する声が高まったことから本作のリイシューにつながったという。
Ketelの中の人であるライマー・アイシングは、若くして注目を浴びたアーティストでもあり、本作のオリジナルを制作していたころはまだ22~23歳であった。そこから2000年代のエレクトロニカ全盛期に数々の作品をリリースし、いまやエレクトロニカを代表するアーティストとなっている。
その中であってもやはり注目を浴びるきっかけとなったのは本作で、2025年10月には20周年記念エディションがリリース予定となっている。そのことからも支持の高さがうかがえる。
リスニングミュージックとして、エレクトロニカの入門として、Telefon Tel Avivと併せてお勧めしたい一枚である。


コメント