ymo-bgm
1.Ballet
2.Music Plans
3.Rap Phenomena
4.Happy End
5.1000 Knives
6.Cue
7.U.T
8.Camouflage
9.Mass
10.Loom

証明させた音楽性の高さ

今でこそ次作の『Technodelic』と並び、傑作の一つに位置づけられている本作。しかしリリース当時は、大衆性から逸脱した音楽性により、酷評が圧倒的に多かった。”自分たちの音楽性を追求し続けた”…などと、彼らの心境を勝手に解釈するのは簡単だが、おそらく彼らはとてつもない天邪鬼だったのだと思う。リスナーが期待した方向には絶対に向かわない高飛車な姿勢が、顕著に現れた作品だと言える。

1979年に『Solid State Survivor』が大ヒットを記録し、その後の『Public Pressure』などのリリースを経て、YMOは一気に日本国内を席巻。その矢先にリリースされたのが本作だった。”教授と細野氏との仲がギスギスしていたから”とか、”にわかファンをふるい落とすためだった”とか、本作を物語るエピソードは様々だが、実際異常な人気ぶりに最も当惑していたのはメンバー自身で、同時にそんな状況に嫌気が差していたそうだ。売上こそ減少したが、現在では彼らの音楽性の高さを証明する作品ともなっている。

各楽曲に関しては、口ずさめるような楽曲はなく、その不穏な旋律や実験的なサウンドに対し、じっくりと耳を傾けて楽しみたい。#1「Ballet」でいきなりぼんやりとした陰鬱な音色が耳を突き、今までとは違う音楽をたちまちのうちに感じさせる。その後も、投げやりなヴォーコーダの声と耳を劈くサウンドが印象的な#2「Music Plans」、不穏な空気感が辺りを包み込む#4「Happy End」へと続いていく。

機材と無表情で睨み合う彼らの姿を想像すると、クールな表情を捉えた、いかにもYMOらしいサウンドだとも感じる。中でも、強烈なドラミングと中盤のメンバーによる掛け合いが印象的な#7「U.T」は特にかっこよく、個人的にも大好きな曲である。そして最後の#10「Loom」では、眠りに誘う優しい音色を披露し、もはやアンビエントまで及んでいる。

本作『BGM』と、それを更に突き詰めた『Technodelic』は、一般的なYMOのイメージとはかけ離れているが、メンバーはこの二作を特に気に入っているようである。実験的かつクオリティの高さが意識された二作は、YMOの本質に迫ったものであることは間違いない。また、職人集団であったにもかかわらず、茶目っ気たっぷりな彼らの佇まいも面白く、それが音楽性を変えても憎めない所以である。現在もなお多くリスナーに愛され、後世のミュージシャンに影響を与え続けている天才的なグループである。


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