sigurros
1.Untitled 1
2.Untitled 2
3.Untitled 3
4.Untitled 4
5.Untitled 5
6.Untitled 6
7.Untitled 7
8.Untitled 8

北欧の空気感を閉じ込めた音

Sigur Rosの出身であるアイスランドといえば雪国。冬となれば厳しい寒さと雪が襲う。我々の住む日本とは環境も文化も全く違う世界なのだが、本作の創りだす音楽は、そんな別世界に連れて行かれるような、素晴らしい雰囲気を持っている。

彼らの紡ぎ出す音はダイヤモンドダストのように美しく、いずれの楽曲も時が止まりそうなほどゆったりと進行する。そんな彼らの音楽は、曲が良いか云々を語るものでもなく、”故郷の風土を音に起こしたらこうなった”と言わんばかりの、アルバム全体を通しての雰囲気を楽しむような音楽である。一つの音を鳴らすだけで画になり、それは他のバンドではなかなか味わうことの出来ない音楽であると言える。

特に本作は特殊な作品となっており、まずアルバムと楽曲にタイトルがない。歌詞はアイスランド語だが、ヴォーカルは雰囲気をつくるために有る程度。そのため、個々の楽曲を解釈をするためのヒントは尽く廃されている。そもそもこのバンドは、音だけで伝える力が十分すぎるほどあるので、解釈云々を語るのも野暮というものかもしれない。音の力だけを最大限に活かし、圧倒的な世界観が構築された本作はとても神々しく、彼らの音楽性をとてもよく表していると言える。

曲単位で切り取るのは邪道だが、あえて好きな曲を選ぶとすれば、ベースの音が癖になる#2や、天に昇っていけそうなほどの耽美さをもつ#4、中盤から吹雪にように荒れ始める#8などである。ただ本作はアルバムの一体感を味わうものであり、8つの曲達が力を合わせて本作の完成度を上げている感じが良い。

聴くだけで異国の地にいる気分になれて、時期をも超越しその場は秋~冬になる。数少ない優しい音色の響きだけで圧倒的存在感を放つ8つの楽曲を内包する本作は素晴らしいと思うし、出会えてよかったと思えた作品である。音の持つ力と音楽の可能性を、とても強く感じさせてくれた、近年屈指の名作だといえる。

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