ride-carnivaloflight
1.Moonlight Medicine
2.1000 Miles
3.From Time to Time
4.Natural Grace
5.Only Now
6.Birdman
7.Crown of Creation
8.How Does It Feel to Feel
9.Endless Road
10.Magical Spring
11.Rolling Thunder
12.I Don’t Know Where It Comes From

シューゲイザーからの脱却

1994年。この頃と言えば、シューゲイザーが完全に終焉を迎え、ブリットポップが台頭してきた時期である。少なくともライドがデビューをしてブレイクを果たした時期とは大きくシーンが変わっていた。

ライドは96年までの活動期間に合計4枚のアルバムを残している。中でもデビュー・アルバム『Nowhere』は、嵐のようなギターノイズと、夢幻的な世界観で、シューゲイザームーブメントの旗手としてシーンを大いに盛り立てた。以降のアルバムも、音楽性を柔軟に変化させた名作ばかりである。しかし時代にハマりすぎたためか、後期の作品は”らしくないサウンド”だと一蹴され、正当な評価が下されることはなかった。

3rdアルバムである本作『Carnival of Light』は、ライドにとって最も大きな転換期を迎えたアルバムだったのではないだろうか。シューゲイザーからの完全なる脱却が図られ、ギターポップ、ブリットポップに寄った作品となり、バンドの新たな方向性が示された。しかし思うように売上が伸びず、この時期からバンド内での不和が広がっていったようである。

ライドにこびりついたシューゲイザーの印象は、再評価された現在でも根強く、彼らも否定はしないところだろう。ただしその葛藤や苦労は大きいようで、音楽性が大きく変わっていった2nd以降の作品を聴けばそれがよく分かる。同時に、ファンが求めていたのは、初期の衝動性を秘めた青臭いサウンドだったということも…。

ただ、初期から順番に聴いてみるとわかるが、とても理想的な成長を遂げているバンドであると思う。アルバムを出すごとに青臭さが薄れていき、一気に成熟味を増していく。一見地味なのだが、とても味わい深いギターロックに仕上がっており、癖になるフレーズが満載。ツインギターによるの激しいサウンドや、ドアーズのような古き良きオルガンの音色、脱力したツインボーカルが重なり、荒々しいのにとても風通しが良い。身体が宙に浮いた靄がかかったような以前の雰囲気から一変、地に足を着けた視界良好な雰囲気が印象的である。

楽曲のセンスも相変わらずで、#3「From Time to Time」なんかは永遠に聴き続けていたいと思わせるほど癖になった楽曲。暖かみがあるのに冷たい質感も残っており、まるで冬のベランダでひなたぼっこをしているかのようである。これは#4「Natural Grace」も同様である。上記の2曲はお気に入りで何度もリピートしてしまった。

音が変わったことで、変化しないライドたらしめる部分というのも再確認した。例えば、前述したツインギターとクールなコーラスのコントラスト。さり気なく使われている特徴的なフレーズなど。乱暴な言い方をすると、シューゲイザーとブリットポップの間に立つ作品といえるだろう。シューゲイザーも好きだけど、OASISや、アーバンヒムズ期のThe Verveも好きだという方にはおすすめできる。とても質の良いギターロックアルバムである。

(さらに…)

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1.Leave Them All Behind
2.Twisterella
3.Not Fazed
4.Chrome Waves
5.Mouse Trap
6.Time of Her Time
7.Cool Your Boots
8.Making Judy Smile
9.Time Machine
10.Ox4

多様な楽曲で攻める、ライドのもう一つの名作

Rideの2ndアルバム。シューゲイザーブームの口火を切った傑作『Nowhere』でブームの中心的存在となった彼らが放った新たな作品。本作ではシューゲイズ色は薄れたが、彼らの非常に幅広い音楽性を感じさせるものとなっている。いささかポップに傾倒したものの、更なる飛躍を果たしたライドの「もう一つの傑作」と言える作品ではないだろうか。

大胆なストリングスの導入やプログレッシヴな曲展開、はたまた王道ジューゲイザーなど、前述通り非常に幅広い音楽性を本作で披露している。そして、前作に比べて音の輪郭が鮮明になった印象で、尚且つ彼らのポップセンスの高さにも驚かされた本作。7分を超えるプログレッシブな①や、極上のポップソング②はライドのファンの間で根強い人気を保っている名曲。個人的には、後半の手数の多い激しいドラムさばきがインパクト大だった⑦や、アコースティックな単音メロディとシンセの音が耳に残る⑨が特に印象的だった。

一般的な評価は1stの方が高いが、根強いライドのファンからはこの作品を支持する声も高い。そして、このアルバム以降のライドはブリッドポップの方に本格的に突入するので、轟音シューゲイザーのライドは本作が見納め(聴き納め)となる。

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1.Seagull
2.Kaleidoscope
3.In A Different Place
4.Polar Bear
5.Dreams Burn Down
6.Decay
7.Paralysed
8.Vapour Trail
9.Taste
10.Here And Now
11.Nowhere

シューゲイザームーブメントの旗手

Rideの1stアルバム。大手インディレーベルのクリエイションから大型新人バンドとして自信をもって送り出された彼らは、「Ride EP」(赤ライド)、「Play EP」(黄ライド)を発表し、まだ1stアルバムをリリースしていない時点で早くも注目される。その後、満を持して発表されたこの作品で人気爆発。

耳を劈くフィードバックノイズ、洪水と形容される轟音の嵐、嘆くように歌うヴォーカルに重なる美しいコーラス…。そんなサイケデリックなライドのサウンドは「ドラッグの手を一切借りずに創るエクスタシー」と評された。脳内をノイズが飛び交うような錯覚はまさにエクスタシーであり、ジャケットのような波のうねりを存分に感じさせる。私は後追いでこの作品を聴いたが、印象的だったのがリズム隊。ノイズの轟音のウラでぶんぶんとうねるベースと、柔らかい音で暴れまわるドラムは、見事に心地良さを増幅させている。つまり、このアルバムで聴けるサウンドはすべてが優しく、美しい。青春の蒼さを表現したと言うべきか。耳障りなノイズを奏でているはずなのに…である。

どの楽曲も上記の特徴を踏まえた、シューゲイザーを象徴するサウンドを鳴らしている。この作品で特に人気のある⑤はとにかく衝撃的だった。滑らかで優しいメロディをバラード調で聴かせていたかと思えば、突然耳が痛くなるほどの轟音が襲ってくるのが特徴で、Live映像も必見。

このデビュー作をきっかけにライドは全盛期を迎え、シューゲイザーブームは加熱していくこととなる。そしてこの1stが時代を揺るがした名作であるのは言うまでもない。

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