出身:イギリス – オックスフォード
期間:1985-

radiohead-kida
1.Everything In Its Right Place
2.Kid A
3.The National Anthem
4.How To Disappear Completely
5.Treefingers
6.Optimistic
7.In Limbo
8.Idioteque
9.Morning Bell
10.Motion Picture Soundtrack

私の心の処方箋

残念ながら私は、本作をリアルタイムで聴くことは出来なかった。しかし、一度聴いてしまえば、当時のリスナーに与えた衝撃は容易に想像できる。なにせ前作『OK COMPUTER』で、ロックバンドとして頂点に君臨した彼らが、そのロックの概念を壊すようなことをしているのだから。

とは言え、前作の成功から、バンドへの関心度は非常に高い状態にあったので、チャートアクションも各国で良好であり、日本でもオリコン3位まで上り詰めた。結果的に商業的にも大成功したといえる。

現在でこそ00年代の名作と評され、レディオヘッドの傑作の一つに挙げられている本作だが、当時は評価が真っ二つに別れた作品であった。ただ、それはあくまでも今までのレディオヘッドを聴いてきたからこその衝撃であって、評価が落ち着いた現在においては、多方面から素晴らしい賛辞をもって迎えられている作品である。彼らにとっては間違いなく『OK COMPUTER』と対を成す、もう一つの頂点である。

ロックを解体し、無機質な電子音の波で作られた、無感情で静寂な音世界。ギターの音などまるで無く、荒々しさも皆無。”うつ”を音に置き換えたような、限りなく内省的な音楽性は、まるで既存のリスナーを突き放したかのようである。”難解”というのも本作のキーワードだが、今となっては意外と聴きやすい音楽なのではないかと思っている。また、どこまで計算されているのかわからないが、聴きこむごとに新たな良さも発見できるので、聴き応えもある。そういう部分が、本作が多くの人に支持されている要因ではないだろうか。

本作は、突き抜けた名曲がないところも特徴の一つで、それがアルバム全体に漂う”緻密さ”として表現され、統一感のある作品にしている。”すべてが名曲”…、言うのは簡単だけど、あえて名曲を上げるならば#8「Idioteque」。打ち込みの強いピコピコの電子音が耳に残り、とても聴きやすいので、まずはこの曲から聴いてみることを勧めたい。

今回、このような作品となった理由としては、トム・ヨークがAutechreに影響を受けていたことがよく言われている。また、この時期にトム・ヨークが「ロックなんか退屈だ」「ゴミ音楽じゃないか!」などと何度も発言しており、嗜好や心境の変化がこのような作品に影響を及ぼしたのは想像に難くない。

個人的に本作は、うつ状態で何も考えたくない無気力のときに聴くと、非常に良く体に染み渡る。なので処方箋の役割を果たしている。気持ちが極端にふさがっている時は、本作やNew Orderのような暗い音楽が、心に寄り添ってくれているような安心感を持たせてくれるはず。人間の心はバネと同じで、一度どん底まで落ち込めばその反動で一気に飛び上がることが出来る。

話がそれたが、そんなこともあってか、以前まで『the bends』こそ傑作だと思っていた私は、現在は『KID A』の方が圧倒的に聴き返す回数は多く、とてもお気に入りの作品となっている。独特の作風のため手放しに勧めることは出来ないが、多くの方に支持されてきた作品なので、一聴の価値は大いにあると思う。

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radiohead-amnesiac
1.Packt Like Sardines In A Crushed Tin Box
2.Pyramid Song
3.Pulk/Pull Revolving Doors
4.You And Whose Army?
5.I Might be Wrong
6.Knives Out
7.Morning Bell/Amnesiac
8.Dollars And Cents
9.Hunting Bears
10.Like Spining Plates
11.Life in A Glasshouse

KID Aの片割れ

Radioheadの5thアルバム。前作「Kid A」でのサウンドの大きな変化は、既存のファンはもちろん、ロック全体にも大きな衝撃をもたらした訳だが、その片割れと言われているのが本作である。前作と同じ期間や過程で作られた作品と言うこともあり、共通点は多い。メンバーは作品について「KID Aは炎を遠くから見つめているような作品で、Amnesiacは炎の中にいるような作品」と語る。確かに本作は前作と共通する部分は多々あるものの、そんな感じがする。おそらく冷たいシンセの音が減ったことによって、アコースティックなサウンドが増えたからだろうか。例えるならば暗い森の中に佇む木造のペンションを見つめているかのよう。それも鬱と向き合って一人苦悩しながら。

本作の代表曲といえば②や⑥だろうか。特に②はアルバムのイメージを表している楽曲で、広がりのあるピアノが壮大な世界観を形成。虚無感と緊張感が漂っているアルバムなのだが、そこで一際目立つのが⑥で、憶えやすいメロディとノリが終始続く楽曲である。あと、⑩は何回聴いてもゼルダの伝説っぽい(笑)

本作はレディオヘッドの作品の中でも一番最後に手に取る人が多いと思う。しかし本作は決して駄作ではない。それどころか曲の纏まりが一番あることから、レディオヘッドの傑作の一つに挙げてもいいと思っているほどの作品である。

radiohead-bends
1.planet telex
2.the bends
3.high and dry
4.fake plastic trees
5.bonds
6.(nice dream)
7.just
8.my iron lung
9.bullet proof .. i wish i was
10.black star
11.sulk
12.street spirit

ギターロック期の代表作

Radioheadの2ndアルバム。

前作で大ヒットとなった「Creep」で一気に知名度が上がったRadioheadだが、一発屋というイメージが纏わりつくことになってしまい、本人達も嫌気が指したのだろう。本作で自分達のオリジナリティ、才能を世界に見せ付けることに成功し、一気に彼らへの評価は高まった。

聴けば聴くほどアルバムのどこをとっても隙が見当たらない、素晴らしいアルバム。本作で聴き納め(?)となるトリプルギターによるオーケストラのような響きは圧巻。そしてトムヨークの頭を投影したかのような楽曲達は、シンセの音が印象的な#1「planet telex」から始まり、#12「street spirit」に代表される苦悩など、様々な表情を持っていて、一曲一曲とてもよく練られている印象を受ける。現に飽きるどころか、今も聴くたびに曲の深みを感じているような気がする。シンセの音も随所に現れてきており、大ヒットアルバム「OK Computer」への予兆も感じさせる。

聴くべきは#4「fake plastic trees」#7「just」#12「street spirit」などの名曲。特に#4は同じフレーズの繰り返しというシンプルな構造にもかかわらず、涙が出るほど感動すること間違いなし。#7は今尚人気の高い初期の名曲と言ったところだろうか。無理やり明るく振舞っているような曲調が不気味にも聴こえる辺り、彼等の音楽性が出ていると言える。もう一曲挙げるとすればタイトル曲の#2「the bends」。前述のギターによるオーケストラのような音の広がりを良く感じることが出来る楽曲で個人的に思い入れの強い楽曲。

前作からさらに大きく前進したRadioheadが見せた最高のギターロックアルバムであるとともに、彼等の才能が花開いた作品と言える。そして彼らの才能は、次の作品でも大きく評価されることになる。

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